今日本で一番人気のある作家といえば、村上春樹かもしれません。受講生の方でも、村上春樹を読んでいるという人はおりました。しかし、全部の作品を読んでいる人は少ないように思えます。
村上春樹の場合、作品によって好き嫌いが分かれることがあるようです。最初に読んだ本が馴染まなかったということで、あとは読んでいないという人もいたりします。
村上春樹作品の素晴らしさというのは、何よりも楽しめるというところにあると思います。深く、考えることもでき、シンプルに活字に触れる楽しさがあります。
そして、本を読むという行為が、カッコいいものだと感じられるところではないでしょうか。
本を読むことはダサいことだ。
そんなことを高校生から言われたことがありました。ひとりで本を読んでいるのは、暗い雰囲気があると。
村上春樹の小説の登場人物は、よく本を読んでいます。その姿は、けっこうカッコいいものです。
『海辺のカフカ』の中学生の主人公は高松の図書館で、夏目漱石を読んでいました。
『ノルウェイの森』の主人公も、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビイ』やトーマス・マンの『魔の山』など、いつも本を読んでいます。
『東京奇譚集』の中の短編「偶然の旅人」では、ある男女の読んでいた本が偶然にも同じチャールズ・ディッケンズ『荒涼館』で、それをキッカケに話をする、なんてことがありました。
お薦めは全てなのですが、何冊かあげてみます。
< 短編小説 >
◆ 村上春樹著 『象の消滅』 (新潮社)
初期の短篇が17作品も入っていて、村上春樹の魅力が凝縮されていると言っていいでしょう。
◆ 村上春樹著 『神の子どもたちはみな踊る』 (新潮社)
とてもじっくりと読ませてくれる連作小説。個人的にはとても好きな作品です。
< 長編小説 >
◆ 村上春樹著 『ダンス・ダンス・ダンス』 (講談社文庫)
村上春樹と言えばこの作品でしょう。楽しく、ぐいぐいと読ませてくれます。
◆ 村上春樹著 『ノルウェイの森』 (講談社文庫)
いわゆる青春の一冊。特別な本になるのだろうと思います。じっくりと味わいながら読みたい本です。
◆ 村上春樹著 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 (新潮文庫)
2つの世界が交差する物語。なんとも不思議なのだけど、その世界に惹き込まれます。
◆ 村上春樹著 『海辺のカフカ』 (新潮文庫)
15歳の少年が主人公。読み応えのある作品でした。わりとさっと読めるのですが、深く読み込む面白さがあります。
< エッセイなど >
◆ 村上春樹著 『少年カフカ』 (新潮社)
外観が少年マンガに似せた作りとなっています。インターネット上で読者の質問に答えたもの。もの凄い分量の本です。ひとつひとつの質問に丁寧に答えていて、小説とは何なのかということまで、深く考えさせてくれます。
< ノンフィクション >
◆ 村上春樹著 『アンダーグラウンド』 (講談社文庫)
地下鉄サリン事件の被害者にインタビューしたもの。今パラパラとページをめくっても、鳥肌が立つような感じです。それだけに、重い本です。村上春樹の作品の中では特別なものでしょう。ぜひ読んで欲しい一冊です。
◆ 村上春樹著 『約束された場所で』 (文春文庫)
地下鉄サリン事件について、オウム信者の側にインタビューしたもの。この本も、多くのことを深く考えさせられる内容です。
他にも数多くの作品があります。相当な数です。またこの村上春樹という作家、最近では日本だけの人気ではなく、海外での知名度も相当高いようです。
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