「学習する」ということを、認知心理科学からアプローチしたのが、この本と言えます。理解することの裏側を知って学習を行うことは、大きな力となるものでしょう。目からうろこが、どんどん落ちてくる一冊です。
◆ 市川伸一著 『勉強法が変わる本 心理学からのアドバス』 (岩波ジュニア新書)
速読という言葉を、「理解を落とした分、速く読む」と定義したなら、 速読するということは、そんなに難しいことではありません。(注: もちろん、実際に行なうのは難しく、このことは速読の大切なことではあるのですが、ここでは、難しくないと考えてください)
読書を行なう上で最も重要なのは、いかに理解するか、ということです。 つまり、速読というものを考えた場合、 どれだけ「理解して読む」という力をつけるかが大切なことなわけです。
この本では、認知心理学から学習するということが語られます。 よくある勉強法などの本では、わりと一方的にその方法が語られますが、 この本のスタイルはちょっと違います。
認知心理学から、理解することを解説し、 学習するという過程で何が大切かを考えさせてくれます。特に「文章を理解する」(P89)という章では、 とても重要なことが書かれていて、 速読に関心のある方には、ぜひ読んで欲しい内容となっています。
「文章理解には知識と推論が必要」という文に代表されるのですが、 簡単にはいかない、長い蓄積というものの大切さを感じさせてくれます。
「ジュニア新書」の名前の通り、 高校生向けに書かれています。 それだけに、わかりやすい内容となっています。高校生の時に読んでいれば、と誰もが感じるでしょう。 認知心理学とは何か。 文章を理解するのにはどうしたらいいのか。「速読をやれば文章を理解できるようになる」なんてことはありません。
また、同じ市川伸一の著書では、次の本も 読みやすく面白いです。実際に高校生に対しての授業がベースとなっているので、 質問など生の声があり、より身近に「認知心理学」と「学習」というものを考えさせてくれます。
◆ 市川伸一著 『心理学から学習をみなおす』 (岩波高校生セミナー)
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