旅をテーマとしたノンフィクションというのは、とても面白いです。面白いだけでなく、その情景を頭に浮かべながら読むことができるという点でも、速読の練習としては、ぜひ読んでいただきたいジャンルです。
もちろん、速く読む必要はないです。じっくりと味わって、自分の一緒に旅をしているように読んでください。
◆ 中上健次著 『スパニッシュ・キャラバンを捜して』 (新潮社)
アジアが多く取り上げられています。特に韓国。旅の本としては、伝説的なものと言えるのではないでしょうか。読んだことのない方、ぜひぜひお薦めです。
しかし……。この本の入手はかなり難しい雰囲気です。埋もれてしまうには、あまりにも、あまりにも、勿体ない本です。
◆ 本多勝一著 『カナダ=エスキモー』 (朝日文庫)
◆ 本多勝一著 『ニューギニア高地人』 (朝日文庫)
◆ 本多勝一著 『アラビア遊牧民』 (朝日文庫)
「極限の民族」というタイトルでひとつの本にもなっているのですが、この3冊取り上げることなく、旅の本については語れません。私は大学生のときに、この3冊を読んだのですが、のめり込むように読んだことを記憶しています。
世界は広く、自分の価値感というものが、どんなに小さなものでしかないのか。世界というと、アメリカやヨーロッパなどを中心として見てしまいがちです。しかし、そうではない世界の広さを感じたものです。
◆ 藤原新也著 『印度放浪』 (朝日文庫)
この本は文章だけでなく、写真が多く載っています。デザイン的にも、本当に素晴らしい本です。帯には次の文章が書かれています。
「旅青春論の原点として静かに読み継がれてきた」
「旅死生論の原点として静かに読み継がれてきた」
旅と本というものは、特別な関係にあるように思えます。
◆ 吉田ルイ子著 『ハーレムの熱い日々』 (講談社文庫)
◆ 吉田ルイ子著 『自分を捜して旅に生きてます』 (講談社文庫)
◆ 吉田ルイ子著 『世界おんな風土記』 (旺文社文庫)
◆ 吉田ルイ子著 『世界おんな風土記』 (旺文社文庫)
フォトジャーナリストでもあり、写真がかなり入っているのですが、それもまた魅力いっぱいです。女性からの視点ということで、他の人にはない、世界というものを感じさせてくれます。
◆ 辺見庸著 『もの食う人びと』 (角川文庫)
読んだときは衝撃を受けました。世界のあちこちで、食べるということが淡々と語られます。しかし、そこに生き方みたいなものを感じさせてくれるのです。食べるという、シンプルな、世界共通なものが、ストレートに伝わってきます。
これらは速読の練習の本として、読んでいただきたい本です。
読みながら、立ち止まって欲しいのです。時には眼を閉じて、その景色を想像してください。
こうした読書を行なうことは、読書の柱を太くしていくようなものでもあります。柱が丈夫なしっかりしたものであれば、速さはあとからいくらでもつけることができます。
旅のノンフィクションを読むというのは、大きな読書の力をつけるものです。
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