秩父三十四箇所観音巡礼歩き日記 readingfields.com
秩父三十四箇所観音巡礼歩き日記 4日目 33番札所菊水寺〜34番札所水潜寺
四国遍路日記
四国遍路の景色
四国遍路八十八箇所、
約1200キロの行程を歩いて旅した記録です。




秩父三十四箇所観音巡礼歩き日記 4日目


 いよいよ最後の秩父となる。約10キロの道のりだ。札所は2個所だけ。1日あれば十分に終えることができる。この日も、前の2日と同じ時間の電車に乗り、同じ時間に西武秩父駅へ。少し待ったところでバスに乗り、30分ほどでバス停松井田に着く。

 まずは狭い国道299号を歩く。赤平橋を渡り、道は右へと曲がる。次第に田畑と山の景色へと変わっていく。約30分ほど歩いたところに札所33番菊水寺があった。小さいながらもきれいなところ、季節の花が咲いていたなら、素晴らしい景色なのだろう。ここでも僕がこの日最初の参拝客のようだった。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 最後の8.9キロを歩き出す。途中では2つの道のコースがあったようなのだが、よくわからないままに番戸大橋を渡る道を歩く。比較的広い車道である。信号を目印に左に曲がり橋を渡る。そして、いよいよこの日のメイン、そして三十四箇所秩父札所めぐりの一番の難所と言える札立峠への道へと入る。

 案内本では徒歩2時間半と書かれている。山の中の昔ながらの巡礼道だ。最初は舗装された道路で、途中に民家もある。少しずつ登りが厳しくなってくる。山の景色はとてもいい。舗装された道路から山の巡礼道へと入る辺り、近くを歩いていた地元の人に、がんばってくださいね、と励ましの声を掛けてもらった。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 すぐに立て札があった。「お願い」とありちょっとした注意点が書かれていた。路肩を守るためにしばらくこの路肩のある区間は杖と使わないでください、というとこ。この場所を多くの人が歩き、そして守っている人もちゃんといるのだと感じることができた。そして、杖を持って歩いている人がいるということも。確かに、杖を持っていた方がいいような道だった。登りのときは、体力的に楽ということがある。しかし、それ以上に降りのときの。ブレーキ、岩場でのもう1本の足としての役割も大きいものであった。それだけに、杖のない僕にとって、この札立峠は厳しいものとなった。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 順調に自然の景色の中を歩いた。しだいに登りは急になり、足には辛いものがあり、多くの汗を流したが。それでも山の巡礼道に入ってから30分ほどで峠の頂上には着くことができた。男性がひとり休んでいた。写真を撮り、この山の風景を楽しんでいるようだった。この場所は、ハイキングコースみたいなものにもなっているようで、三十四箇所巡りをしている人だけということではないようだった。この男性も違う雰囲気。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 これからは降り道となる。急な降りが多く、杖のないことが辛かった。おまけに、靴もやや滑る感じがある。相当な注意が必要だった。

 大変なのは、地面の傾斜がやや穏やかになってからだった。岩場が多くなってきていた。大きな岩、小さめの石、とにかく歩き難い。どの場所に次の足を置くか、じっと目を凝らしている。周りの景色がどうのこうのという状態ではない。ちょっと鋭いような岩場に足を置けば当然痛い。そして何よりも転倒の危険性がある。降りが急な箇所では、それなりに歩くスピードもついてしまっているので、転倒したなら怪我をしてしまうこともあっただろう。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 途中で登ってくる親子とすれ違った。お父さんとお母さんと、子供は小学生だろう。3人ともリックに杖を持っていたので、よくこうしたハイキングをしているのかもしれない。コンニチハと挨拶を交わしたときに、子供から「あとどのくらいですか」と聞かれてしまった。まだまだあるだとうという場所だったので、正直にそのまま答える。でも付け加えて、岩場はあと少しで終るから、と言った。この子供にとっても、登りにおける体力的な辛さよりも、岩場を歩くことの方がずっと大変なようだった。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 ようやく建物が見えてきた。もうちょっとというところに「注意 熊出没」という立て札があった。もちろん、水潜寺から札立峠に行く人に対しての注意なのだろう。でも、具体的にどう注意したらいいのだろうかと思ってしまったが。

 札所34番水潜寺にやっと着くことができた。時間はまだ12時前だった。バスで来ているであろう集団の巡礼者がちょうと巡拝の最中だった。この人たちの前にと思い、先に納経を済ませる。

 観音さまの前で手を合わせ、この秩父巡礼の旅が終った。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 これから帰りの道があるわけだが、3日と半日。2年近くの歳月がかかったが。嬉しいというよりはホッとしたという気持だろうか。別に涙を流すことはなかった。

秩父の景色 秩父の景色 秩父の景色

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 水潜寺からちょっと降ったところにバス停はあるのだが、時間がまだかなりあった。駐車場はけっこう広かったが、お店は何もなかった。水潜寺に引き返し、ちょうど雰囲気の良い休める場所があったのでそこで本を読んで過ごす。山の中のお寺は、本当に静かで本を読むのにいい場所だった。ときおり聴こえてくる木の葉の揺れる音や、般若心経が、心地よいBGMとなっている。

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 乗り遅れることがあったら大変だと10分ほど前からバス停で待つ。近くに数件の家があるのだが、川の脇でとてもいい雰囲気だった。

 僕の他、老夫婦がバスに乗る。このバスは秩父鉄道の皆野駅まで行く。実は皆野駅まで歩いて行こうかという気持も無くはなかった。約7キロほど。でも、道に迷う可能性があるということと、終ったということで気持が萎えたというやや情けない理由でバスを選択したのだった。

 秩父鉄道の電車に乗り、お花畑駅で降りる。西武秩父駅の仲見世通りで蕎麦を食べる。それに、おやきが美味しそうで2つ買った。

 そのおやきを電車の中で食べながらこの秩父を離れた。







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