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WEBマガジン VOL.074  楔/相手の意見は尊重すべき?/「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」矢作俊彦/気功治療
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WEBマガジン VOL.074        2008.09.09



< 目次 > WEBマガジン VOL.074   2008.09.09
◆ 羽柴梨歌 【PRESENT −いまここのあなたへ−(11)】 楔
◆ 田中 聡 JCDA認定 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
         「日々のネジマキ」 File No,8【相手の意見は尊重すべき?】 
◆ 安藤利貞 スキーとオートバイを愛するアウトドア派人間の読書日記(5)
        「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」 矢作俊彦
◆ 織田信吾   華やかな中国気功の世界(第4回)『気功治療』
    嵩山少林寺認定気功師師範、NPO法人日本少林寺武術気功連盟監事



羽柴梨歌 【PRESENT −いまここのあなたへ−(11)】 楔


 少し早い夏休みを取って、また旅に出ることにした。今年に入って、4回目の 海外渡航だ。正午発のエア・インディアは、定刻の出発をアナウンスした。
 旅をしている間は、自分の立場や仕事や人間関係などからしばし離れることに なる。だからこそかもしれないが、離陸と同時に、自分を取り巻く“楔(くさび)” について自然と思いが馳せられることが多い。大切な人たちとの、“つながり”、 “きずな”。そう言い替えればとても美しいことなのに、それは同時に身動きの 取れない「足かせ」ともなる。

 早朝にあった、大切な人からの電話。
 あなたには幸せでいてほしい。いつでも笑顔でいてほしい。
 そういう願いと、そのことで頭がいっぱいになる苦しさ。
 あぁ、私は自由になりたいのに、どうしてこんなに愛しいの!
 愛と怒りが混在するなんて、人の心ってなんて不自由なんだろう。愛しさと同 時に、楔を感じる。断ち切れない楔を。少し、泣きたくなった。

速読のイメージ  また、前日に会った知人は、たった1週間とちょっと私と会えないことを、と ても寂しがり、悲しい、悲しいと、何度も何度も言った。
 「すぐに帰ってくるよ。」
 そう言いながら、楔を堅固にされている、と感じた。こんなとき、私は会えな い期間を持つことに罪悪感さえ抱いてしまう。

 自ら強めた楔。
 相手によって強められた楔。
 共依存のように、互いに強め合った楔。
 それはやさしく、でも、がんじがらめに、つたのようにまとわりつく。私は、 これらのものから解き放たれるために旅に出るのだろうか? もしそうなのだと したら、せめて旅に出ることで、自分を解き放つ術を学びたい。そうでなければ、 旅はただの現実逃避になってしまうから。

 旅がしたい。私の心は、そう動いている。「自分がやりたいことを、やるべき だ」と、人は言うし、私もそう思う。でも、私の本当にやりたいことって、何だ ろう。それは、ただ旅の中での自由を求めるだけのものではない気がする。私の 「旅がしたい」という思いの、根源にあるものは、何?

 投げかけた問いは、長いこと抱き続けてきたもののようにも感じたけれど、そ れはこの旅の中できっと解いていける。ふっと、そんな予感がした。解いていけ る。楔という名のつたを、傷つけぬよう少しずつほぐすみたいに。
 窓の外に目をやると、眼下には美しい雲が広がっていた。


 羽柴梨歌  心理職ライター ブログやってます。よろしくお願いします。 
          http://mymery.blog.so-net.ne.jp/



田中 聡 JCDA認定 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
       「日々のネジマキ」 File No,8【相手の意見は尊重すべき?】


 「KY(ケーワイ)」と言う言葉が、広く使われるようになりました。
 一時の様に、テレビを見れば「KY」、ラジオを聞けば「KY」という事はさす がに無くなりましたが、こんなに使われるようになるとは何年か前には考えもし なかった状況です。2007年の流行語大賞の候補のにも上がった事も驚きでした。

 この「KY」の意味を少し調べてみました。
すると、インターネット上には「 Kは「空気」、Yは「読めない」の略。以前 は「空気を読め」といった意味で使われていたが、最近は「あいつKYだ」のよ うに「空気を読めない」あるいは「空気を読めないヤツ」の意味で使われる。」 とありました。
 さらに「SKY(スカイ)」と言う言葉もあり、「スーパー空気読めない」と 言う意味だそうです。

 それにしても、いつから空気は読めないといけないものになったんでしょう? ここでの「空気」とは「状況」や「雰囲気」といったものを指していますが、そ ういったものはそもそも「読む」必要があるのでしょうか?

 「そりゃ読まなきゃだめだろ」と言われそうですが(^^ゞ
 では「何のために」読むのでしょう?

 少し考えてみました。思いついたものを挙げてみると、
「グループの中で孤立しないため」や、「場の雰囲気を壊さないため」や「話の 流れを止めないため」など。

 これって何か感じませんか?

 全部「相手ありき」です。つまり、集団にしろ個人にしろ「相手」との関係を 良い状態で保とうとするために「空気を読む」ようです。もちろん、人間関係は 「良い」方がいいですもんね。

 この方法は「わかりやすく」相手に気を遣っていると言えるでしょう。
 でも、空気を読み合う関係は本当に「良い」関係なのでしょうか?
この事は少し考えてみて欲しいのです。
 
 
速読のイメージ  一方で「空気を読まない」と言う選択肢もあります。
 もちろん、結婚式や葬儀の場でその場にふさわしくない事を言ったり、行動を 取ったりするのは、「空気を読む」「空気を読まない」という話の以前に、社会 人としての常識に欠けると言えると思います。

 「空気を読まない」とはどういうことなのでしょう?

 単純に考えると「空気を読む」の反対ですから、「状況や雰囲気にそぐわない 言動をする」と言えます。ですが、社会生活をしている上で、やはり一定の暗黙 のルールが存在します。先ほどの結婚式や葬儀の場での応対などもその一つと言 えるでしょう。そう言った、社会生活を送る上での守るべきルールを除いて考え ます。

 では、「何のために」読まないのでしょう?

 これも思いついたものを挙げてみますと、
「自分の考えを言うため」や「自分の存在を主張するため」などを思いつきます。

 ここにも共通の事が見えます。

 それは、「自分」が主体であるという事です。では、「自分」が主体となる関 係は「良い」人間関係を作ることは出来ないのでしょうか?

 過度の「自己主張」は確かに「わがまま」とか「独裁的」と映る事があり、 「良い」人間関係を作る事は困難でしょう。

 しかし、「ちゃんと自分の考えを述べる」と言う見方をすれば、自分の考えと 相手の考えを付き合わせる事で自己の理解が進み、同時に相手への理解が進みよ りよい関係を築くきっかけとなり得るとも言えます。
 相手によっては伝わりにくいですが、こちらも「相手を理解したい」と言う気 持ちが現れていると言えるでしょう。


 相手と考えを直接話し合う事はせず雰囲気や状況を敏感に感じ取って暗黙の内 に作られる関係と、雰囲気や状況は無視してお互いの意見を話し合い明示的に作 られた関係。
 もちろん、どちらが良くてどちらが悪いと言い切ってしまえるものではありま せんが、だからこそどちらかに偏ってしまうのではなく両方を状況に合わせて使 い分ける事が出来る事こそ大切なのではないでしょうか?

 人間関係が複雑になってきた現在の社会生活を送る中で「空気を読む」のか 「空気を読まない」のかどちらが良いのかと言う空気を読む事が大切になってし まったのかも知れません。


  田中 聡  JCDA認定 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)



安藤利貞 スキーとオートバイを愛するアウトドア派人間の読書日記(5)
      「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」 矢作俊彦


 傷だらけの天使と聞いただけで、TVドラマのオープニングの、場末っぽいサッ クスの音とショーケンの朝食の光景(牛乳をラッパのみ、トマトにかぶりつく・ ・)が目に浮かぶ。その格好よさに当時はノックアウトされた。
 その伝説のドラマの続編を矢作俊彦が小説化した。矢作俊彦ファンとしては読 むしかない!
 最近の矢作俊彦の作品はしょぼい現代社会を風刺しているものが多い。
 「ららら科学の子」では主人公は中国から何十年ぶりに帰ってきている。
 「悲劇週間」では、堀口大学の恋と詩と革命、メキシコでの青春時代を書いて いる。「ロング・グッドバイ」で神奈川県警のクールな二村刑事が登場して、昔 のファンを惹きつけた。

速読のイメージ  この主人公、小暮修は、荒川の向こうに住んでいる何十年ぶりに日本に帰って きたホームレス(本人は「宿無し」と主張している。)として登場する。
 横浜っ子の矢作俊彦的には、荒川の向こうはもはや地の果ての感覚だろう。
 小暮修のホームレス仲間が殺され、殺人事件に巻き込まれる話から展開してい く。相棒は、ホームレス担当の市役所職員だ。(この相棒のキャラクターが面白 い)
 小暮修は、古巣の歌舞伎町に舞い戻る。かつて住んでいたビルは廃墟のままに 残っている。昔馴染みのやくざ、歌舞伎町を本拠にする新たな外国人、昔のボス の綾部貴子、と現れるが、そこは現代だ、IT社長はウェッブのバーチャルな世界 で大もうけしているし、威勢のいい謎の美少女は綾部貴子と何か関係がありそう だ。最後には都知事まで現れる。
 小暮修は、その壮大な計画を阻止するため動き回る。
 エンディングは、人情もの、涙のハッピーエンドだ。
 後半のストーリーのドライブ感は心地いい、最近の矢作作品には見られなかっ た気持ちよさがある。やはり、「傷だらけの天使」の原作の持つイメージの力だ ろうか。
 いろいろなカオスが詰め込まれているが、これはやはり矢作俊彦の世界だ。
 ちょっと斜に構えたシャイで知的な世界がここにある。

 あちこちに、過去の名作ハードボイルド小説やSF小説からの引用があり、日活 映画、長島巨人への憧憬、と矢作ワールドがお約束のように散りばめられている。
 「警官にさようならを言う方法は見つかっていない」、「よい警官は死んだ警 官だけ」とか、映画「ブレードランナー」の中の有名なフレーズなどが、コラー ジュのようにあちこちに散りばめられて楽しませてくれる。
 ただ、それらを楽しめるのはある一定以上の世代(40代?)かもしれない。 まあ、20代の若者が矢作俊彦を読むかどうか疑問だが。

 ともかく、「傷だらけの天使」を知らない世代が読んでも十分に楽しめるエン ターテイメント小説になっていると思う。
 むしろ、「傷だらけの天使」の続編としてではなく、独立したオリジナル小説 でもよかったのではないかという気もする。
 ああ、矢作俊彦のハードボイルド小説が読みたい・・

 「傷だらけの天使」是非、一読をお勧めします。読んで損はない小説です。


 安藤利貞  「家族・人生・スキー・日々」 ブログ、よかったらみて見てください 
          http://toshi-sumi-suzu.cocolog-nifty.com/4/



◆ 織田信吾   華やかな中国気功の世界(第4回)『気功治療』
    嵩山少林寺認定気功師師範、NPO法人日本少林寺武術気功連盟監事


 今回は気功治療についてご説明しましょう。
 気功治療は気功師が患者に気を送って治療します。前回までに紹介した動気功 や静気功の練習をして体内に気を充実させ、その気を患者に与えます。自分の体 内の気を「内気」(ないき)、体から出す気を「外気」(がいき)と言います。 (なので気功治療の事を外気治療とも言います。)また直接、自然界の気を採り 入れながら治療をする事もあります。気を採り入れる事を「採気」(さいき)と 言います。気功治療の基本は患者さんの病気、邪気(じゃき)を身体の外に出し て、身体にいい元気、陽気を患者さんに入れたり、気の流れが滞っている箇所を、 気が良く流れるようにする事によって行います。気を体内に入れたり出したり、 流す事を誘導する事を「導引」(どういん)と言います。
 また皆さんご存知のツボは、人の身体で気が出入りするポイントです。そして ツボのつながりを経絡(けいらく)と言います。病気の症状に応じて、その症状 に効果のあるツボに気を送ったり、出したりします。また導引して身体に気を流 す事で自然に、自然界と体内とで気の交流が行われるようにします。

 私達の練習では治療の練習に入る前に2年以上、動気功と静気功(瞑想)の練 習を行います。動気功は内気を充実させて外気を長く強くそして自由に出せるよ うに。静気功は患者の患部を感知するのと、導引を行ったり患部が回復するイメー ジをリアルにする為に役立つからです。

速読のイメージ  気功治療に限らず、漢方、鍼灸などを含めて治療の裏付けとなる理論が中医学 です。近代的な西洋医学に対して東洋医学とも言います。その中医学には基とな る理論がいくつかありますが、ここでは簡単に陰陽五行論と三津論(さんしんろ ん)をご説明しましょう。
 陰陽論とは物事を“陰”と“陽”に分けて理解・解釈していく考え方です。日 本人にはあまり馴染みがありませんが、実は世界ではごく普通の概念だったりし ます。大学に行かれた方は第二外国語が必修科目だった方もおられるでしょうか、 ドイツ語、フランス語・・・。名詞には男性名詞と女性名詞の区別があり、動詞 や形容詞も女性形で活用します。女性や動物の雌に女性形で活用するのは、まだ わかりますが、机や椅子などの一般名詞にも男性名詞と女性名詞の区別があるの か実に不思議でした。さて東洋医学の陰陽論では体の陰と陽の気のバランスを取っ て体を調整していきます。陽の気が良くて、陰の気が悪いという事はありません。 人間や自然界は陰と陽のバランスで成り立っている、と考えるのが東洋医学(哲 学)です。
 五行論は、万物は“木火土金水(もっかどこんすい)”の五つの要素から成り 立つという思想で、治療では身体の臓器(五臓六腑)などを“木火土金水”の五 つの要素に分類し、それぞれの相互作用によって調整していきます。中国系の占 いなどでもこの用語が使われている場合も結構あります。
 三津論(さんしんろん)とは、簡単に言うと、気と血と津液(しんえき、体液 の事)の三液が体内を一緒に流れる、というものです。よく気功を行うと指の先 がピリピリする、とか体が温かくなる、という感覚を持たれる方がいらっしゃい ますが、これは気功によって、気が流れる時に血液も一緒に流れるので、血行が 良くなって手や指先の血液が普段より良く流れるようになる事も原因の一つです。 血行が良くなれば免疫力も上がりますので、治病や余病に当然効果があるのです。

 このように気功の練習を行っていくと自分が健康になるだけでなく、人の健康 を改善させる事が出来るようにもなっていきます。
 次回はガラッとテーマを変えて武術についてご紹介しましょう。


  織田信吾  嵩山少林寺認定気功師師範、NPO法人日本少林寺武術気功連盟監事



編集後記                              編集長:今村洋一


 5月、6月、7月と、3回ほど、大学のキャンパスで速読の授業を行っていま した。福島にある、桜の聖母短期大学というところの生涯学習センターです。
 生涯学習ということで、一般の方も受講されるのですが、7割くらいは、この 大学の学生の方でした。こうした講座というのは、普段行っているものとは雰囲 気が違い、私としても楽しい時間です。

 自分が大学生のとき、速読というものを受けていたならば……。そんなことを ついつい考え、昔のことを思い出します。ちなみに私は、子供の頃はあまり本を 読まない人でした。大学に入った頃から、本を読み始め、週末には神田の街をさ まよっていました。飽きることなく、ぶらぶらと本を眺めるだけで、幸せな気持 ちになったものです。

 「学生が普通に速読の授業を受ける」というのが、私の目指す速読講座ですの で、もっともっと、速読というものが、このような形で授業になっていけば、と 思ったりしています。

   * * * * *

 授業をはじめる前、「米沢から来ているのですか?」という話になることが多 いです。そこで、米沢の説明をするのですが、米沢が何所にあるのかなど、わか らない方も多くいるようです。ちなみに、「山形」と言うべきか、「米沢」と言 うべきか、少し悩みます。正式には、「山形県米沢市」なのですが、米沢という のは、かつては「米沢藩」として独立していました。上杉謙信の城下町であり、 直江兼続が土台を築いた町であり、上杉鷹山が行政改革を行った地でもあります。
 そうしたことで、「米沢」と名乗りたい気持ちもあるのです。

 今は、私の方が東京に出張して速読の講座を行っています。しかし、将来的に は、「速読講座を受けるために米沢に行こう」という感覚になれば、と思ってい ます。まあ、ほとんどの人は無理だろうと思うのでしょうが。

 在宅勤務など、仕事の形態がどんどん変わってきています。セミナーを受ける、 ということも、東京だけでなく、地方に出かけて行っての受講ということも、あ り得るのでは、と思うのです。

 米沢というところは、山形新幹線で、福島の次の駅です。日帰りでも十分に往 復が出来ます。リーディングフィールズは、米沢から日本中に発信する講座です。 ぜひ、米沢をよろしくお願いします。

   * * * * *

 旅がしたい。実は、私もそんなことを思います。ちなみに、沢木耕太郎の『深夜特急』には まったものです(笑)。持っている3冊のハードカバーは、当然、初版本です。
 旅をしたい、という気持ちを持っていても、どうにも、動くのが苦手な性格だっ たのか、旅という旅をしたのは、30代の後半になってからでした。

 ある日、ほとんど突然のように、四国を歩く、という旅を始めました。四国遍 路です。5回に分け、4年掛かって、四国八十八箇所1200キロを歩きました。 この旅は、私の財産のようなものです。これがあって、自分で速読講座を作るよ うなチャレンジができたのかもしれません。歩くことと、本を読むことは、同じ なのではないか、と思ったりします。

 最後に四国を歩いたときから、4年が過ぎてしまいました。またいつか、歩き たいと思っているのです。


 今村洋一  リーディングフィールズ代表 速読インストラクター
         http://readingfields.com/




WEBマガジン VOL.074
2008.09.09
メールマガジン第74号(2008.7.30)をベースとして作成
編集 : 今村洋一/リーディングフィールズ




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