具体的に、
何をどう行えば読書速度は向上していくのか?
速読というと、何か特殊な技術という印象があるかもしれません。しかし、特別なものではありません。例えば、スポーツを行うことと、同じように考えていただきたいのです。スポーツで上達するにはどうしたらいいのか。ポイントは2つあるでしょう。「良いフォーム」と「負荷を掛ける(汗を流す)」です。読書速度を上げるために、やはりこの2つが重要です。
(1) フォーム
「身体の姿勢」「眼の動き」「視野」の修正
実は多くの人の読書の姿勢というのは、かなり崩れた状態となっています。例えば、身体を斜めにして本を読んでいたならば、文字をしっかりと見ることはできません。当然ですが、その分、読書速度は遅くなってしまいます。まずは、しっかりとした「身体の姿勢」を身につけます。そうすることによって、広く文字の見える状態にします。
そして、「眼の動き」というものにも気をつけていきます。読書速度が遅いという人は、どうしても一字一句を細かく追いかけるような読み方になってしまっています。これは、ひとつの癖です。ただし、悪いというわけではありません。どのような本を読んでいるかによっても、違ってきます。
良いフォームでの読み方、それはロスの少ないものであり、疲労の削減にも繋がっていきます。
(2) ギアチェンジ
負荷を掛ける、「速度」と「理解」のコントロール
読書速度を上げるには、やはり無理をする必要があります。速く読めば、当然ですが「理解」というのは落ちてしまいます。大切なのは、「速度」と「理解」というものを、バランスを取って読み進めること、コントロールしていくことです。そのバランスの中で、負荷を掛けて読書速度を上げていきます。
2つのポイント(フォーム&ギアチェンジ)は密接な関係があります。「良いフォーム」の無い状態で「負荷を掛けて読む」を進めたならば、悪い癖がついてしまい、逆に読書速度の落ちてしまうケースもあります。両者がバランス良く行われていくならば、「眼の動き」というものがより力のあるものとなっていきます。
これらは技術的なことです。両者を行うには、意識、読書についての考え方という問題が関係してきます。
(3) 理解力UP
アウトプットの力をつける
ある意味で当たり前のことですが、理解力が無ければ「速く読んで理解する」ということは出来ません。理解できない文章を速く読んだとしても、理解できるようになることはありえないわけです。
速読というものに、必要以上に意味を詰め込むのはあまり良いことではありません。この「理解力をつける」ことは、「速読」と一度切り離して考えてもいい部分です。しかし、「速読」を深く考えていただくため、そして基本の速読講座で、実際に「内容の理解も含めた読書速度の成果」を感じていただくために、こうした演習も行ないます。
またトレーニングには、「部分のトレーニング」と「全体のトレーニング」の2つがあります。
スポーツのトレーニングにおいて、また楽器の練習などでも、「基礎的なくり返し」「基礎体力強化」などと、「実践的トレーニング」とがあります。同じようにお考えください。
部分のトレーニング
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読書を、要因ごとに分け(気持ちやカタチなど)、
目的を絞り、部分だけを修整するトレーニングを行います。
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全体のトレーニング |
普段行わないような負荷を掛けた状態で、
ギアチェンジのようにページを進めるトレーニングを行います。
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