本を読むこと、より速く読むこと。それは自転車に乗ることと似ているのではないでしょうか。自転車の乗り方は人それぞれです。ママチャリで走るのも楽しいものです。しかし、速く走ろうと思うのであれば、スポーツタイプの自転車に乗った方が、ずっと速く、そして遠くまで長時間走ることができるはずです。
何が違うかというと、その自転車の形状により身体の姿勢が違ってきます。サドルの位置を高くし前傾姿勢になることで、より速く走ることができます。特にドロップハンドルの自転車などでは、坂道での力の入り方が違います。
そして、ギアのあるなしでも大きく違ってきます。道路、状況にあわせてギアを切り替えることにより、効率よく自分の力を発揮できます。当然のことになりますが、長く乗れば乗るほど足腰や体力が鍛えられ、より速く走ることがきるはずです。
本を読むことも同じように考えられます。速く読むための身体の姿勢。ギアを切り替えるような読み方。本を読むことも、自転車に乗ることも、楽しいことです。いい景色を見て、いい風を感じることができるのではないでしょうか。
「料理教室に行けば、料理が上手く作れるようになるか?」、「速読講座に行けば、本が速く読めるようになるか?」、この2つの問いを同じものだと考えていただくと、速読トレーニングが何かが見えてきます。
教室などで何かを学ぶこと。それはプロの指導により、その技術を掴むことはできるでしょう。しかし、自分自身が行う、普段の行為が良いものとなっているかどうかが問題のはずです。料理であれば、自分で日々の食事を作る実践です。速読でも、普段の読書がどのように行われているかが重要です。
料理教室のような速読講座を行いたいと考えています。料理教室というのは、大きく2つに分かれます。プロの料理人になるための専門学校のようなところ、そして家庭で料理を楽しみたいという人を対象にした教室です。
特別な人を対象にするものではない、誰もが楽しめる料理教室というのが、基本の速読講座の目指すところです。
基本を重視した料理教室では、包丁の使い方や計量の仕方、調味料を使う意味などを学び、何よりも料理を楽しいと感じることができます。その基本を元に長年料理を続けていったなら、手際の良い、美味しい料理にまずます磨きがかかっていくのではないでしょうか。
美味しい料理を作って、食べること。面白い本を読み、語り合うこと。そこには確かな喜びがありはずです。